無料のパスワード管理ソフトとして人気のBitwardenから、有料の1Passwordへ戻しました。
1Passwordは、サブスクになる前の1Password 6まで使っていました。
その当時、自分のなかではサブスクリプションプランというものが一般的ではなかったため無料のBitwardenへと移りました。
しかし、また4年ぶりに1Passwordへ戻ってきました。
その理由は・・・
パスワード管理ソフトを変更することにした理由
Bitwardenを4年ほど使っていて、特に気になるところもありませんでした。
では、なぜ変更することにしたかというと、Bitwardenとは直接関係のない話になりますが、2段階認証用のソフトとしてAuthyを使っていました。
そのAuthyの情報漏洩の対応によるセキュリティアップデートでMac Mini上でAuthyが使えなくなっていることに気づきました。
このニュースは知っていたのですが、RaycastのAuthyプラグインを通して利用していたためか、まったく違和感なく使えていたので気にしていませんでした。
しかし、実はこのセキュリティアップデート後にAuthyへ登録したものは、RaycastのAuthyプラグインに出てこなくなっていたことに気づきました。
あれ?と思ってデスクトップアプリを久しぶりに起動してみたら、ログインできなくなっていました・・・
MacOS上での認証を諦めて、iPhoneを使えば良いのですが面倒です。
2段階認証という意味ではiPhoneを使うのが正当なのですが、やはり面倒です。
そこでMacOSで使うことのできる2段階認証のソフトを探すことにしました。
その結果、候補として出てきたのは、以下の3つでした。
- Step Two
- Bitwarden 有料版
- 1Password
Step Two
Authyのサイトにデスクトップ版の代わりとして記載してあった中で良さそうだったのがStep Twoです。
シンプルで良さそうだったのですが、iOSとMacOSのみの対応のためAndroidやWindowsには対応できません。
AndroidやWindowsはそんなに使わないので、使う時にはiPhoneを使えば良いのですが、Authyはすべてのプラットフォームで使えていたので少し不便になります。
価格は、無料です。
Bitwarden 有料版
Bitwardenを有料版にすれば、2段階認証に対応できることがわかりました。
無料版で満足していたのでまったく気づきませんでしたが、有料版にすれば解決できます。
移行も必要ないので簡単です。
価格は、個人ライセンスが年間$10(1,600円程度)、6人分の家族ライセンスが年間$40(6,400円程度)です。
1Password
定評のある1Passwordも、2段階認証に対応していました。
Bitwardenからの移行方法も丁寧に出ているため、移行も難しくなさそうです。
価格は、個人ライセンスが年間$36(5,760円程度)、5人分の家族ライセンスが年間$60(9,600円程度)です。
1Passwordのお試しをすることに
Bitwardenの有料版にすれば簡単ですが、1Passwordは14日間であれば無料でお試しできるので、使い勝手が向上しているかを含めて試してみることにしました。
- Bitwardenからのデータ移行
- Authyからのデータ移行
- 使い勝手の確認
Bitwardenからのデータ移行
まずは、データ移行が問題なくできるかを試します。
1Passwordのサイトにやり方が書いてあるので、その通りにすれば移行できます。
パスワード付きのjsonファイルを出力します。
STEP1で出力したjsonファイルをインポートします。
1Passwordへデータのインポートが完了したら中身の確認を実施します。
あれ?
パスワード付きjsonのインポートでエラーが出たぞ
その場合は、
Bitwardenからcsvで出力して、1Passwordへインポートしよう
ただし、データ項目がずれていることがあるのでデータ内容の修正が必要になる場合があるよ
Authyからのデータ移行
Authyの公式アプリからは出力ができません。
調べてみたところ、出力するには以下の2通りしかなさそうです。
- RaycastのAuthyプラグインからの出力
- Authyデスクトップを導入していた方は、Githubに載っているやり方での出力
1Passwordへのインポートの方法ですが、以下のやり方となります。
- otpauth_url.jsonを開く
- otpauth://totp/XXX?secret=xxxxxxxxxxxxxxxのURLが登録されていた分あるのを確認する
- XXXの部分をヒントに、どのサイトの2段階認証なのかを推測
- 1Passwordの「ワンタイムパスワード」の欄を追加して、②のotpauthから始まるURLを貼り付けて保存
- 2段階認証用のコードが表示されるので、Authyのアプリと同じコードであることを確認する
Githubのやり方で出力する場合は「Export to Bitwarden JSON」で出力すると、②のURLが”totp”部分に記載されています
使い勝手の確認
Bitwardenと若干使い勝手が違うところもあって、最初は戸惑う部分もありました。
しかし、数時間も使えば慣れてきます。
慣れてしまうと、Bitwardenよりも使い勝手の良さが際立ってきました。
スマホアプリについては、Bitwardenも1Passwordもほぼ変わりません。
ここから記載する内容はパソコン版での話です。
- 起動が速い
- クイックアクセスにより、どこでもすぐに呼び出せる
- SSHの鍵が保存できる
- カテゴリー分けが多くて、選別しやすい
- 家族での共有が簡単
起動が速い
これだけで乗換決定みたいなものです。
Bitwardenは起動までに時間がかかります。
ブラウザでの入力は拡張機能からすぐにできるのですが、アプリへパスワードを入れる時には本体を起動してコピーする必要があります。
その際に、Bitwarden本体の起動の遅さが気になっていました。
しかし、1Passwordはすぐに起動するのでさくさく入力ができます。
そして、次に紹介する機能により、本体を起動するまでもなく、さらに速く入力ができます。
クイックアクセスにより、どこでもすぐに呼び出せる
クイックアクセスのショートカットにより、どこでも簡易検索用のダイアログを起動できます。
Raycastの1Passwordプラグインも不要です。
このクイックアクセス機能により、アプリの入力時でもストレスなくパスワードのコピー&入力が簡単にできます。
これだけでも乗換を確実なものにしました。
SSHの鍵が保存できる
サーバを運営している方は、この便利さがわかると思います。
SSHの鍵をローカルに保存せずとも接続が可能になります。
さらにパスワードも不要で接続できます。
ターミナルだけではなく、VS Codeのリモート接続でも使うことができます。
ただし、残念ながらVS CodeのSFTPだけは、どう設定してもうまくできませんでした。
カテゴリー分けが多くて、選別しやすい
登録するであろうカテゴリーは、ほぼほぼ揃っていると思います。
Bitwardenは4個だけでしたが、1Passwordは22個あるので該当しないものは無いと思います。
たくさん分けられるので、見つけやすさやわかりやすさに貢献します。
家族での共有が簡単
共有用の保管庫を作れるので、家族で共有しているアカウントのパスワードをLINEとかでお知らせする必要もなくなります。
ワンタイムパスワードも共有できるので便利です。
一時的に共有したいアカウントを共有の保管庫へ入れれば、一時的に共有することもできます。
1Passwordを離れて4年、便利さが格段に上がっていました!
1Passwordはソースネクストから購入するのがおトク
Bitwardenの有料版の価格は、個人アカウントで年間$10(1,600円程度)、家族アカウントで年間$40(6,400円程度)です。
家族3人分だと、個人アカウントを3つ使った方が安いのですが、個人アカウントだと共有できるのは2人までになるため、家族アカウントの方が良いです。
1Passwordは、個人アカウントで年間$36(5,760円程度)、家族アカウントで年間$60(9,600円程度)です。
Bitwardenと比べると割高です。
しかし、1Passwordのライセンスは、ソースネクストから3年ライセンスが出ています。
セールもよく実施していますので、セールを活用するとさらに安く購入することができます。
この間のAmazonプライムセールでは、個人の3年ライセンスが9,400円、家族の3年ライセンスが13,300円で販売されていました。
家族の3年ライセンスを3人で利用すると、年間1人1,500円弱です。
Bitwardenの有料版よりも安くなります。
Amazonよりもソースネクスト公式の方が安い時もありますので、両方を比較しましょう。
1Password公式サイトは高いのでソースネクスト版を使いましょう!
セールになっている時に買いましょう!
1Passwordのライセンス登録時の注意
1Passwordをソースネクストから購入した場合は、ソースネクストのサイトへライセンス番号を登録したあとに1Password本体へのライセンスの紐付けが必要です。
新規登録であれば、ソースネクストのライセンスを登録したところにあるマニュアル通りに実行することで1Password本体へのライセンスの紐付けができると思います。
しかし、通常はお試しをしてから購入すると思います。
その際には、すでにアカウントはありますので、その既存アカウントへライセンスの紐付けが必要になります。
ソースネクストのマニュアルにも既存アカウントへの紐付けの方法が載っているのですが、その通りではうまくいきませんでした。
新規登録の画面に飛んでしまって、既存アカウントを選択できません。
そのため、1Passwordへ紐付けてもらえるようにメールを送る必要があります。
日本語でも大丈夫です。
宛先は、ソースネクストのライセンス登録場所に記載があります。
内容には、以下4点を記載すれば大丈夫です。
- ソースネクストから購入したこと
- マニュアル通りに実施しても新規アカウントの画面となり既存アカウントへの登録画面にならなかったこと
- ライセンスを既存アカウントへ紐付けたいこと
- シリアルナンバー
- コード
- ライセンスを紐付ける既存アカウントのメールアドレス
「受け付けたよ」という内容の英語のメールが来る
STEP2の数分後に、このような内容のメールが届きます。
紐付けてほしくて連絡したのですが、何の連絡を待っているのか、どうして良いのか戸惑いました。
日本語の下に英語が書いてあるので読んでみたところ、メールアドレスが正しいかを確認するため返信して欲しいということが書かれていました。
こんな感じの内容を書けば大丈夫です。
数時間後にライセンスの紐付けが終わった旨のメールが来ます。
1Passwordのサイトからライセンスが有効になっているかを確認します。
お支払いのページで「アクティブ」と記載されていれば大丈夫です。
ライセンスの紐付けに1〜2日かかるので、余裕を持って購入しましょう!
最後に
1Passwordでの動作に問題がなければ、Bitwardenの保管庫を空にして、必要に応じてアカウント削除。
Authyも同様にアカウント削除しても良いですし、2段階認証のバックアップのために取っておいても良いと思います。
Bitwarden、Authyともに、出力したファイルは忘れずに削除しましょう。
特にBitwardenから出力したファイルの削除し忘れに注意!
ゴミ箱も空にしましょう
おまけ
パスワード管理に、Google パスワードマネージャやiCloud キーチェーンを使っている方も多いと思います。
スマホのみであれば、それが1番使い勝手が良いと思います。
パソコンでも使う場合やマルチプラットフォームとなると1PasswordやBitwardenを使う方が便利です。
パスワードを使い回している、または覚えやすい簡単なパスワードにしている方は、覚えておくのはマスターパスワード1つで良く、強固なパスワードも作ってくれる、無料のBitwardenを使ってみることをおすすめします。
2段階認証のアプリとしては、パソコン上での利用を考えないのであれば、同期もできるようになったGoogle Authenticatorがおすすめです。